確定 市の直接契約
噴水ショー330万円 2026年のウォーターマッピング。市が株式会社ドゥサイエンスと直接契約しています。出典 2
入場無料。でも、運営コストまで無料ではありません。
2026年、流山市は森のナイトカフェのメインコンテンツであるウォーターマッピングに330万円を直接支出しています。過去には、これとは別に会場設営費として2024年に223万3,000円、2025年に177万4,300円を市が発注していました。ところが2026年は、その会場設営費の契約が公開情報から確認できません。
市、森のマルシェ実行委員会、今年から共催となった東神開発。誰が何を負担し、イベント全体でいくらかかったのか。公開されている資料をもとに、費用と負担の見え方をたどります。
公開情報の確認日:2026年8月23日
確定 市の直接契約
噴水ショー過去実績 市の会場設営
177万〜223万円 2024年223万3,000円、2025年177万4,300円。噴水演出とは別契約でした。出典 7、82026年の未解明点
会場設営費参考試算 外注費
約510万〜580万円 330万円に、過去実績を基に仮置きした設営等180万〜250万円を加えた参考値です。市職員人件費は含みません。まず確定していること
2026年6月15日、流山市は株式会社ドゥサイエンスと「ウォーターマッピング実施業務委託」を330万円(税込)で契約しました。市の契約資料では、森のナイトカフェのメインコンテンツとして説明されています。出典 2
少なくとも、森のナイトカフェは民間だけで運営されているイベントではありません。メインの噴水演出には、市の予算330万円が直接使われています。
費用は330万円だけでは終わりません。2024年と2025年には、噴水とは別に会場設営業務として約177万〜223万円を市が発注していました。2026年は、この会場設営費を誰が負担したのかが公開情報から確認できません。
何が分からないままなのか
市が共催し、市の予算を使い、出店料や協賛、民間企業の負担もあるイベントです。市民が知りたいことは、シンプルです。
イベント全体で、いくらかかったのか
市はいくら負担したのか
出店料や協賛金はどこに入り、何に使われたのか
実行委員会と共催企業は何を負担したのか
この四点を一つにした収支表は、現在公開されていません。
民間側は森のまち広場の利用・運用にも関わりますが、通常の会場利用ルールだけから今回の費用負担を断定することはできません。共催の合意書、会場使用条件、費用分担表を見なければ、どう分けたのかは分かりません。
なぜ市の税金を使うのか
イベント単独の是非を考える前に、行政事業として位置づけられてきた経緯をたどります。
2026年に見えなくなった費用
2024年と2025年は、市の契約情報から「森のナイトカフェ会場設営業務委託」の金額を確認できました。ところが2026年8月24日時点で、市の公開契約情報から同名の会場設営業務委託を確認できません。
| 年度 | 水上演出 | 会場設営 | 市の公開契約で追える小計 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 242万円 | 223万3,000円 | 465万3,000円 |
| 2025年 | 209万円 | 177万4,300円 | 386万4,300円 |
| 2026年 | 330万円 | 公開情報で確認できず | 少なくとも330万円 |
2024・2025年は市の年度別契約情報、2026年は令和8年度契約情報で確認できる内容です。2026年の「確認できず」は0円ではなく、公開情報から同名契約を追えないことを示します。出典 2、7、8
会場そのものがなくなったわけではありません。
テント、机、椅子、飲食スペース、ゴミステーションなどを必要とするイベントは実際に開催されています。別名の契約なのか、実行委員会が発注したのか、共催になった東神開発側が一部を担ったのか。公開資料だけでは確定できません。
前年まで市の契約として確認できた費用が、2026年は市民から追えなくなっています。令和8年度の「流山市ブランド確立と住民誘致の推進事業」全体の予算です。ブランドプロモーション5,418,000円と、水上マッピング330万円などを含みます。ナイトカフェだけにかかった費用は、この資料だけでは分かりません。出典 3
2026年にもう一つ変わったこと
会場設営費を公開契約で追えなくなった年に、流山おおたかの森S.C./東神開発株式会社の位置づけも変わっています。
出店料と無料企画
市の支出だけでなく、出店料・協賛・企業企画の費用をどう扱うかも、イベント全体の収支を見るうえで欠かせません。
出店案内の条件は、テント10,000円/日、キッチンカー25,000円/日です。案内にある募集枠で計算すると、8月21日は325,000円、8月22日は310,000円、合計635,000円になります。出典 23
実際の徴収額、免除、入金先、使途は公表されていません。市民は、この収入がイベントのどの費用を賄ったのかを確認できません。
2026年の案内は自由席で、前年度のような有料指定観覧席の販売収入は原則として見込めません。出典 6
来場者に無料で開かれていることと、運営費の負担者が誰かは別の問題です。
2026年には明治の企画、LJC流山本町の企画、ミニジオラマ・ナイトライト制作などが案内されています。来場者の参加費が0円でも、材料、講師、テント、机、電源、人員には通常コストがかかります。出典 6
どの費用を企業が負担し、どこまで市や実行委員会側の設備を使ったのかは公開資料から分かりません。「無料だからコストゼロ」ではなく、この費用分担も全体収支で示すべき項目です。
では全体でいくらか
2026年の会場設営費は未確認です。そこで過去2年の実績を基に、今年も同規模の設営が必要だった場合を参考として計算します。
参考試算 推計
180万〜250万円は、2024年・2025年の会場設営費(約177万〜223万円)を基に、上限250万円は過去実績を上回る仮定として置いたものです。これは2026年の市の支出額ではなく、イベント全体の外注コストを考えるための参考試算です。
2019年の定期行政監査
市と、市とは別組織の実行委員会が一緒に事業を行う場合、誰が権限を持ち、誰が金銭を管理するのかを明確にする必要があります。
監査の対象
2019年の定期行政監査は、市職員が事務に関与する任意団体30団体を対象にしています。森のマルシェ実行委員会もマーケティング課が関わる団体として含まれていました。監査全体の結論は「調査した範囲においておおむね適正」です。出典 18
監査が求めたこと
監査報告書にあるマーケティング課への個別コメントが森のマルシェだけを指すとは断定できません。ただし、市・実行委員会・共催企業の費用分担が見えにくい現在の論点と、誰が権限を持ち金銭を管理するかという監査の問題意識は重なります。
何がまだ分からないのか
実行委員の氏名・所属、選任理由、役割分担
実行委員会の会議録、出店者・協賛者を選ぶ過程
東神開発との共催合意、会場使用条件、費用分担
会場設営・警備・電源・機材を実際に誰が負担したか
出店料・協賛金・現物協賛の収入、入金先、精算
市職員が使った時間、業務内容、実行委員会方式の改善状況
市の文書分類には「森のマルシェ(年間)」、契約、出店者、協議記録、出店料の支払方法などに当たる分類が見られます。ただし、分類があることだけで、特定の文書が現存・保有されているとは限りません。出典 16
確認する資料
費用や評価の経緯を確かめるには、次の記録がどのように残され、どこまで確認できるかが重要です。全体の収支と来場者数の根拠を読み解くうえで、確認したい資料を整理します。
規約、委員名簿、委員選任の記録、会議録、議題、出店者・協賛者の選定基準と決定記録。
流山市・東神開発・実行委員会の共催合意、会場使用条件、費用分担、役割分担、連絡記録。
出店料・協賛金・現物協賛の収入記録、請求・入金先、収支予算・決算、設営・警備・機材の発注と支払い。
明治を含む体験企画の協議資料、材料・電源・テント・謝金を誰が負担するかの記録。
担当職員の業務分担、勤務時間・出張等の記録、2019年監査の指摘を受けた改善・点検記録。
2010年の事業開始時に、何を目的とし、どの予算・決裁で進めたかを示す起案・説明資料。2025年度の最終精算も別途確認対象です。
カウント手順、実施場所・時間帯・回数、集計の元データ、推計式、重複来場者や通常通行者の扱い、来場者の定義、通常時との比較資料。
質問票、実施方法・場所、回答数、集計・クロス集計、結果の使い方、イベント目的の来場・市外来場・再訪意向をどう把握し、次年度予算にどう反映したかの資料。
合理性・評価・透明性
自治体のイベントに数百万円規模の公費が使われること自体は、珍しいことではありません。大切なのは、目的、費用、何を成果として測るのか、その測り方、費用に見合う効果を市民が確かめられることです。
政策目的
市は森のマルシェについて、流山市の知名度とイメージを上げ、交流人口を拡大することを目的に掲げています。目的そのものは示されています。出典 24
来場者数の根拠
市の来場者数実績には、2024年の森のナイトカフェを47,000人と記載しています。一方、資料には、どこで・どのように数え、通常の通行者や重複来場をどう扱ったのかが示されていません。出典 25
来場者数の見方
市の別資料には、マーケティング課の実習内容として「森のナイトカフェ来場者アンケート調査」「来場者カウント」が記されています。何らかの来場者カウントが行われていることは確認できます。しかし、その具体的な観測方法・算出方法は公開資料から確認できません。出典 27
森のナイトカフェは、人の出入りをゲートで管理する専用会場ではなく、流山おおたかの森駅前のオープンな広場で開催されています。東武鉄道は2024年度の同駅の1日平均乗降人員を68,770人と公表しています。つくばエクスプレス側も、2024年度の月別1日平均乗車人員は約4万人前後です。出典 29、30
東武は「乗降人員」、TXは「乗車人員」で定義が異なり、乗換えによる重複もあり得るため、二つの数字を足したり、来場者数と直接比べたりすることはできません。ただ、通常時から大きな人流がある場所である以上、会場周辺に何人いたかと、イベントによって新たに何人呼び込めたかは別の数字です。
知りたいのは「何人いたか」ではなく、「イベントによって何人増えたか」です。同じ曜日・時間帯の通常時との比較、開催日と非開催日の比較、イベントを目的に来た人の割合、市外からイベントを目的に来た人の人数などが分かれば、追加的な効果を具体的に評価できます。現時点の公開資料では、その比較に使えるデータや算出方法を確認できません。
調査が行われていることと、その方法・結果を市民が確かめられることは別です。公開資料からは、カウント方法、アンケートの質問項目、回答数、集計結果、政策評価にどう使ったかを一連の資料として確認できません。出典 27、28
なお、市全体のブランド認知度調査や転入者アンケートは別途公開されています。ただし、これらはブランド政策全体を対象とする調査であり、森のナイトカフェに投入した費用の効果を単体で測るものではありません。出典 26
| 項目 | 公開資料から確認できること | 公開資料から確認できないこと |
|---|---|---|
| 政策目的 | 知名度・イメージの向上、交流人口の拡大 | ナイトカフェ単体でどこまで達成したか |
| 来場者数 | 市が来場者数を公表 | カウント方法、通常通行者の区別、純増人数 |
| アンケート | 来場者アンケート・カウントを行った形跡 | 質問票、回答数、全結果、評価への反映 |
| 費用 | 噴水330万円、過去の会場設営契約 | 2026年の全体収支、負担者別の内訳 |
| ブランド調査 | 市全体を対象にした調査がある | ナイトカフェ単体の投資効果 |
| 費用対効果 | — | 総費用と単体成果を結び付けた評価 |
「—」は、存在しないと断定する意味ではなく、公開資料から確認できないことを示しています。
市は来場者数を公表し、アンケートやカウントも実施しています。しかし公開資料からは、47,000人をどう算出したのか、通常時と比べてイベントが何人を追加で呼び込んだのか、その効果が投入費用に見合ったのかを確認できません。数字を出していることと、公費投入の効果を検証できることは同じではありません。
総括
2024・2025年
2026年
収入の扱い
来場者数の根拠
2026年、流山市が噴水演出に330万円を直接支出したことは確認できます。過去にはさらに、2024年223万3,000円、2025年177万4,300円の会場設営費も市の契約として確認できました。しかし2026年は、その会場設営費が公開契約情報から確認できません。
出店料は案内上約63万5,000円。協賛企業もあり、市職員も準備・調整・当日運営に関わっています。それでも、市の支出、実行委員会の支出、共催企業の負担、協賛金、出店料を一つにした収支は公開されていません。
市は来場者数を公表し、アンケートやカウントも行っています。それでも、人数の算出方法、通常時からの増加、費用に見合う効果を一つにつないで確認できる資料は公開されていません。
市が共催し、公費を支出するイベントである以上、全体収支と費用分担、来場者数の算出方法、評価結果を市民が追える形で示してほしい。
出典
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