流山市長 井崎義治 公立幼稚園廃園問題

井崎義治市長の説明責任は、かなり重い

「質の高い子育て・教育環境」「市民の知恵と力が活きるまち」を掲げる市政が、流山市唯一の公立幼稚園をなくす方針を維持している。この食い違いは、市長の政治責任として正面から問われるべきです。

流山市幼児教育支援センター附属幼稚園の廃園問題を示すアイキャッチ画像
論点は一施設の整理ではなく、子育て政策と市民への説明責任です。
自ら設置した拠点 平成23年、井崎市長名で幼児教育支援センターと附属幼稚園の設置条例が提出された。
市長選の言葉 質の高い子育て・教育環境、市民の知恵と力が活きるまちを掲げて当選。
廃園方針の対象 流山市唯一の公立幼稚園で、幼児教育支援センターの実践園として位置づけられてきた施設。
市民・議会の反応 パブリックコメント239人・437件、令和6年3月19日の陳情第16号は採択。
問題の核心 廃園方針を維持するなら、代替策・純削減額・要配慮児支援を市長側が具体的に説明すべきです。

この記事の公開・更新

市長ページの更新履歴

初回公開
2026年6月2日
最終更新
2026年6月2日 平成23年の設置条例議案を根拠資料に追加し、市長自身の時代に設置した公立幼児教育拠点を後から廃園方向へ進める矛盾を追記しました。

批判記事

「子育てのまち」と言うなら、ここで逃げてはいけない

井崎義治市長は、令和5年市長選で「住んでよかったを、このまちのすべての方へ。」を掲げ、「質の高い子育て・教育環境の実現」や「市民の知恵と力が活きるまち」を訴えています。その市政のもとで、流山市唯一の公立幼稚園である流山市幼児教育支援センター附属幼稚園の廃園方針が進んでいること自体、すでに大きな矛盾です。

さらに見落としてはいけないのは、この附属幼稚園が井崎市政と無関係に残ってきた古い施設ではないという点です。平成23年第3回定例会の議案第56号では、井崎市長名で「流山市幼児教育支援センター及び附属幼稚園の設置等に関する条例」が提出され、提案理由は、幼児教育支援センターを設置し、あわせて同センターに附属幼稚園を設置するためだとされています。

つまり、市長自身の時代に、公立の幼児教育支援センターと附属幼稚園を制度として位置づけた。その後、市は同園について、市内唯一の公立幼稚園として先導的な取り組みを行ってきたことや、遊びを大切にした教育、配慮を要する子どもへの支援などで一定の成果があったことも認めています。それを後から園児数や財政、私立園の定員余力を理由に閉じるなら、単なる施設整理では済みません。市長側には、過去に公として必要だと設置した機能を、なぜいま失わせるのかという自己検証が必要です。

もちろん、附属幼稚園は教育委員会・学校教育部の所管であり、市長が教育内容のすべてを単独で決めたと断定する記事ではありません。しかし、廃止条例案の提案、予算、行政全体の方針、市民への説明責任は市長部局と切り離せません。だからこそ、この問題では井崎市長を「中心的な説明責任者」として見る必要があります。

市長批判の中心は、方針転換の説明不足です。

市長名で設置した公立幼児教育の拠点を、後に市長側が廃止条例案として扱うなら、「当時は必要だったが今は不要」と判断した根拠、失われる実践機能の代替先、要配慮児支援の担保を、市民が検証できる形で示すべきです。

市側は園児数の減少、私立幼稚園の定員余力、財政負担を理由にしています。しかし、園児1人当たりの運営費を強調するだけでは、廃園後にいくら純削減できるのかは分かりません。センター機能、職員配置、私立園への支援、要配慮児支援の追加コストまで含めた差引額を示さない限り、市民に対する説明としては弱いです。

さらに重いのは、支援を必要とする子どもの受け皿の問題です。公式資料では、令和5年5月1日時点の附属幼稚園は園児22人中、支援児在籍数9人、割合41%とされています。私立園に空きがあることと、同じ水準で支援を引き受けられることは別問題です。この点を曖昧にしたまま「体制を整える」と言うだけでは、子育てのまちを掲げる市長の説明として足りません。

矛盾が積み上がる流れ

市長・行政側の行動は、説明すべきことを増やし続けている

01

平成23年、市長名で設置条例を提出した

幼児教育支援センターと附属幼稚園は、井崎市政の時代に条例で位置づけられた公立幼児教育の拠点です。廃園を進めるなら、まずこの出発点との整合性を説明する必要があります。

02

市長選では「質の高い子育て・教育環境」を掲げた

その後、市内唯一の公立幼稚園を廃園する方針が進んでいます。市長の言葉と行政判断の間に、まず大きな説明の穴があります。

03

市は「市内唯一の公立幼稚園」としての役割を認めている

先導的な取り組みや幼児教育支援センターの実践機能、配慮を要する子どもへの支援の成果を認めながら閉じるなら、その機能をどこで、誰が、どの予算で担うのかを示す必要があります。

04

パブコメ239人・437件と陳情採択があった

市民と議会から見直しを求める意思が示されています。それでも方針を維持するなら、単に「受け止めた」ではなく、何を変えたのかを説明すべきです。

05

廃止議案を見送っても、廃園方針は撤回していない

井崎市長は令和6年第2回定例会で、廃止条例案の提出を見送る一方、今後の定例会で提案したい旨に言及しています。これは熟慮というより、廃園方針を維持したまま時期だけ動かしたように見えます。

時系列で見る問題点

市長の説明責任が重くなった局面

平成23年第3回定例会
起きたこと

井崎市長名で、流山市幼児教育支援センター及び附属幼稚園の設置等に関する条例が提出されました。

問われること

市長自身の時代に設置した公立幼児教育の拠点を、なぜ後から廃園方向へ変えるのか。方針転換の理由を市民が検証できる形で示しているのか。

令和5年市長選
掲げたこと

「住んでよかったを、このまちのすべての方へ。」「市民の知恵と力が活きるまち」「質の高い子育て・教育環境の実現」。

問われること

公立幼稚園の廃園方針が、この選挙時の訴えとどう整合するのか。

令和5年11月から12月
起きたこと

廃園方針へのパブリックコメントで239人・437件の意見が寄せられました。

問われること

市民の声を受けて、方針のどこを修正したのか。

令和6年3月19日
起きたこと

廃園方針の見直しを求める陳情第16号が、本会議で採択されました。

問われること

議会が示した見直し要求を、市長部局がどう政策判断へ反映したのか。

令和6年第2回定例会
市長発言で問われること

廃止条例案の提出をいったん見送り、特別な配慮を必要とする幼児が安心して通える体制を整えたうえで、今後提案したい旨を述べています。

問われること

どの園が、何人を、どの支援体制で受け入れるのか。市民が確認できる具体策が必要です。

2026年5月27日
未確認情報

日本共産党流山市議団は、廃園条例が令和8年第2回定例会に提出される方向だと発信しています。

問われること

市公式議案資料で確認できるまでは未確認として扱いながら、市長側の説明がいつ、どの形で出るのかを注視する必要があります。

市長に問うべきこと

「問題ない」で済ませてはいけない質問

この問題は、廃園に賛成か反対かだけではありません。市長が掲げた政治理念と、市民に示す説明の中身が問われています。

  • 平成23年に市長名で設置した幼児教育支援センター附属幼稚園を、なぜ今は廃園する方向へ変えるのか。
  • なぜ、流山市唯一の公立幼稚園をなくす判断が「質の高い子育て・教育環境」と両立するのか。
  • パブコメ239人・437件と陳情第16号採択を受けて、廃園方針のどこを変更したのか。
  • 廃園による純削減額はいくらか。園児1人当たり経費ではなく、差引額で示せるのか。
  • 要配慮児が安心して通える体制とは、具体的にどの園・何人・どの支援体制のことか。
  • 3年保育、給食、送迎、預かり保育など、公立園を再設計して存続させる比較案を検討したのか。
  • 市長は、この問題を市民に対していつ、どの資料で、どの程度まで説明するのか。